絶版希少本　ポリグラフ　逸脱の心理　嘘発見器　検査実務　測定指標　グラフ波形　質問表例　裁決質問/非裁決質問　実例　判例

山岡一信　著

令文社　発行

1989年初版

228ページを

約21ｘ1ｘ15cm

※絶版

ポリグラフ検査（嘘発見器/うそ発見器/ウソ発見器）の概要、うその心理、感情と生理的反応、測定指標、検査の方法・緊張最高点質問法、質問表例、裁決質問/非裁決質問、対照質問表、検査の手順、検査実例、法的問題、判例など

犯罪捜査などの実務に関するすべてを網羅した大変貴重な資料本です。

【はしがき】より

　ポリグラフ検査に関する基礎研究は、昭和一〇年代に始まる。測定指標は皮膚抵抗反応であり、大学の心理学研究室での実験としておこなわれた。実験室における成果が実務場面で応用されるまでには、一〇余年の年月を必要としている。わが国における最初の実務検査は、公刊された記録によると、昭和二三年に実施されている。以来、今日まで四〇年の年月が経過している。この間に、検査担当者は検査技法および検査理論、検査装置に関する調査および研究、改良をおこない、これらの実績を踏まえて、科学的な鑑識技術としてのポリグラフ検査法が確立した。今後も、この検査法に関する調査や研究が活発に進められて、鑑識技法としての位置をさらに確固たるものとすることが大いに期待される。

　ポリグラフ検査の効果的な活用が増加するにつれて、検査担当者以外の多くの方々の関心を集めるようになり、この検査法に関する論稿も少なくない。このこと自体は、誠に名誉なことであり、歓迎するところである。しかし、われわれにとって残念なことに、これらの論稿の中に、この検査法に関して明らかな誤解に基づく意見が散見されることである。われわれは、この検査法に関する正確な知識による理解と適切な評価を望んでいるが、そのために判断材料としての資料を提供しなければならない、と考えている。本書がその目的を十全に満たしているか、については評価の分れるところであろうが、ひとりの資料として活用願えれば、著者としてこれに勝る喜びはない。

　今日まで、日常業務の一端として、多くの検査祖当者の方々と検査技法についてのディスカッションを重ねてきた。ポリグラフ検査に関する著者の知識や考え方は、大勢の方々のご教示に負うところが実に大きい。私ひとりの力では、到底本書をまとめ得なかったことをここで明らかにしておきたい。

【目次】

はじめに

第一章　ポリグラフ検査

第一節　概要

　　第一　感情の変化の測定

　　第二　うそ発見とポリグラフ検査

　　第三　ポリグラフ検査法の発展

第二節　うその心理

　　第一　防衛的なうそ

　　第二　意識されないうそ

　　第三　うそと感情

第三節　感情と生理的反応

　　第一　日常生活におけるうそ発見

　　第二　測定可能な感情の動き

　　　一　皮膚血流

      二　眼の動き

　第三　ポリグラフ検査の測定指標

　一　呼吸のリズム

　二　皮膚抵抗反応

　三　心臓の鼓動のリズム

第四節　検査の方法

　第一　緊張最高点質問法

　一　質問表例

　二　裁決質問

　三　非裁決質問

　四　詳細事実に対する認識

　五　質問表の内容

　六　探索質問表

　第二　対照質問表

　一　有罪意識

　二　関係質問

　三　対照質問

　四　無関係質問

　第五節　検査の手順

　第一　検査実施のための準備

　　一　質問表作成のための情報の整理

　　二　犯罪現場の観察

　　三　検査室の整備

　第二　面接と測定記録

　　一　被検者と面接

　　二　質問呈示

　　三　カードーテスト

　　四　緊張最高点質問表の呈示

　第三　検査記録の判定

第六節　ポリグラフ検査の実際

　第一　窃盗

　　一　窃盗例　一

　　二　窃盗例　二

　　三　窃盗例　三

　第二　強　盗

　　一　強盗例

　第三　放　火

　　一　放火例

　第四　強　姦

　一　強姦例

　第五　殺人

　一　殺人例

 第六　誘拐

  一　誘拐例

 第七　器物損壊

  一　器物損壊例

 第八　交通事犯

  一　交通事犯例

 第七節　ポリグラフ検査技法の背景

 第一　自我関与

 第二　言葉の返答の役割り

 第三　測定指標

 第四　動機付けと心理的構え

 第五　慣れ

第八節　ポリグラフ検査をめぐる法的問題

 第一　主要な判例

  一　刑事訴訟法第三二一条第四項の準用の判例

　二　排斥された判例

　三　検査結果の告知と自白

　四　刑事訴訟法第三一二条第四項の準用が認められたポリグラフ検査結果

　五　刑事訴訟法第三二六条第一項との関連

　六　最商裁判所の決定

　第二　関連性の条例

　一　前提要件としての関連性

　二　伝聞性

　三　黙秘権との関連

　第三　証明力の評価

　一　裁判官の自由な判断

　二　証明力が低いと評価された判例をめぐる問題点

　第四　検査者と法的問題

第九節　妥当性と信頼性

　第一　ポリグラフ検査の妥当性

　一　「判定困難」の領域

　ニ　インバウとリードの判定可能率

　三　正確度五五％の定説

　四　わが国における検査結果の成績

第ニ　ポリグラフ検査の信頼性

　一　判定の一致

　二　判定の確実性

【著者略歴】

　山岡一信（やまおか　かずのぶ）

　1933年（昭８年）東京に生まれる。

　1957年（昭32年）早稲田大学第１文学部（心理学専修）卒業

　1959年（昭34年）早稲田大学文科系大学院修士課程（心理学専攻）修了

　1959年（昭34年）文学修士

　1976年（昭51年）医学博士

　科学警察研究所法科学第一部心理研究室主任研究官、心理研究室長を経て

　て、現在、法科学第一部部付主任研究官

著書

　「逸脱の心理」（立花書房）

　「異常心理と犯罪心理」（共著）（東京法令出版）

　その他

★状態★

1989年のとても古い本です。

外観は通常保管によるスレ、軽い折れ程度、天小口に経年並ヤケしみあり、

巻末に蔵書印がありますが、本文目立った書込み・線引無し、

問題なくお読みいただけると思います。（見落としはご容赦ください）

＜絶版・入手困難本＞オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。

古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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